うちの会社は、いろんな人がいて、人数も多いです。しかも9割以上が女性。

最近、すっかり私は「なんか知らんけど、やたら病気とかに詳しい人」として、有名人になってしまったらしく、いろいろな相談を受けることがあります。「○○さん、“会社の医学”やなぁ!」と言われるぐらい…笑。

医師ではないので、薬のことはあまり伝えず、体質を教えてあげたり、食べ物や養生の仕方をアドバイスしています。

今日は、いつも一緒にご飯を食べている21歳の女の子が、「膝が痛いねんけど、なに?」と唐突に聞かれて、「なに?って急に言われても、なによ。成長痛ちゃうの?背伸びてない?」と大笑い。

よく聞いていると、冷えている様子。「最近、お風呂にちゃんと入ってないやろ?タイツやめて、素足になってるんちゃう?甘いものやスナック菓子ばっかり食べてるでしょ?」というと、あたり。

「会社ではひざ掛けをすること。お風呂に入ること。お菓子じゃなくて、しっかりご飯を食べること。夜更かししないこと」とアドバイスしました。

すると、「おかんみたいや」と言われました…笑。

次は、50代の女性が「肩がこってね。体がだるくて、首周りもなんか痛いの。更年期障害だと思うんだけど、コマーシャルでしてるルビーナっていいのかな?飲んでみようと思うねんけど」と言ってこられました。

タケダが出してる「ルビーナ」って、漢方の生薬を使っていて、なんだか効きそうですよね。

効くと思います。ある体質の人には…。

でも、どう見ても、今悩んでいる人には効かないです…。

というのも、「ルビーナ」は、血を補いながら血流を調節する「四物湯」というポピュラーな漢方薬と、体を温めて余計な水分を取り除く「苓桂朮甘湯」という漢方薬でできているものです。

つまり、冷えがあって、むくみやすくて、フラフラして、血流の悪さからコリがある人には効果がある、とてもいい漢方薬です。


でも、この女性は、普段から「暑い、暑い!」と言って、汗かきで、手足がほてるような、体に「熱」を持っているタイプの人。

そんな体質の人が、「温めて…」という漢方薬を飲み続けると、のぼせが悪化してしまいます。

このように、同じ更年期障害でも、出す漢方薬は違うんです。

漢方は、「A=B」ではないんですね。

その人の「症」によって、処方する漢方薬が変わります。

「症」というのは、身体が病気とどのように闘っているかを、症状、体質、性格、体格、病気の進行度などから、総合的に判断したものです。

どういう更年期障害なのか、どういう体質で、どんな症状が出ているのか、いつからなのか、どういう性格なのか…それによって、同じ更年期障害でも違うのです。

もちろん、薬膳も違ってきます。

熱を持っている人には、冷やす食材を使い、冷えている人には、体を温める食材を使います。

それを知らずに、ただ「○○がいいって聞いたから」では、もしかすると正反対のことをしているかもしれません。

雑誌、新聞、ネットから様々な情報を得られるのはいいことですが、よく考えて使いましょうね。

「そんなこと言われても分からん!!」という人は、ちょっと思い出してみると、ヒントがあります。

暑いところや夏に採れる野菜や果物は、暑いところで倒れないように体を冷やします。バナナ、マンゴー、ゴーヤ、トマト、キュウリなどですね。

また、寒いところや冬に採れる野菜や果物は、体が芯から冷えないように体を温めてくれます。羊肉、しょうが、ネギなどです。

それと、自分が冷えているのか熱を持っているのか分からないときは、お風呂がヒントになります。

頭痛や腰痛が、お風呂に入ってラクになったら、体が冷えていたということです。

逆に、鼻炎や体のダルさが、お風呂に入って悪化したら、体のどこかに熱を持っているということになります。

あくまでも、目安ですけどね。参考にしてください。